白癬(はくせん)とは、白癬菌という真菌(カビ)による感染症です。
足に感染することが多く、これは水虫と呼ばれることが多いものです。足の白癬は白癬全体の60%~70%ほどになると言われています。
白癬菌は皮膚の角質層にあるケラチンと呼ばれるタンパク質を養分にして増殖します。白癬菌の好む環境は高温多湿で、通気性の悪いところです。
白癬菌は皮膚に付着しても24時間以内に石けんなどで洗い流せば、白癬に至ることはほとんどありません。一方、白癬菌に感染した皮膚から剥落した垢などは感染力が数週間残るといわれています。
このため、感染者と皮膚に触れるものを共用している人は自分自身の肌を清潔で乾燥した状態に保つとともに、共用している足ふきマットやスリッパは日干しするなど、白癬菌がうつらないよう、注意する必要があります。
一方、疥癬(かいせん)とはヒゼンダニというダニが皮膚に卵を産み付けて寄生している状態を言います。
手や手首に感染することが多く、疥癬の60%以上が手に感染すると言われています。
疥癬はダニですが、目に見える大きさではありません。また、白癬と同じように激しいかゆみをともないます。
ヒゼンダニは皮膚の上で生活しています。また、皮膚に小さな穴を掘って卵を産み付けます。ヒゼンダニは人体の温度が活動に最適で、温度が下がると活動量が低下します。疥癬の感染経路は、長時間の肌のふれあいであったり、長時間の寝具の共用であったりします。
白癬も疥癬も原因となるものは異なりますが、症状や感染の仕方はよく似ています。皮膚の激しいかゆみに襲われた場合は早めに皮膚科医で診てもらい、適切な治療を受けましょう。
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